2013年12月29日日曜日

接続要素のシステム分類

システム=接続要素のグループ

前回までお話ししたように「システム」とは結局は接続要素のグループといえます。そして、同じシステム分類に属する接続要素しか、同じシステム(接続要素のグループ)に組み入れることはできません。
システムは同じシステム分類に属する接続要素のグループである

接続要素

サンプルファイルを開き、任意の吹出口(エアターミナル)を選択し、[編集]ボタンをおしてファミリエディタで開いてみましょう。
緑色の丸いのが接続要素

接続要素を選択してパラメーターの値を確認します。
接続要素のパラメーター
ここに「システム分類」というパラメータが存在します。実にこれがシステム分類の本家本元といえます。ファミリに配置された接続要素のシステム分類やその他のパラメーターが、実際のMEPモデリングに大きな影響を与えますので、この接続要素の振る舞いや性質を把握しておくことはとても重要です。

接続要素の種類

接続要素にどのようなものがあるのでしょうか。これはファミリエディタを開いてみればすぐにわかります。[新規作成]-[ファミリ]で「機械設備(メートル単位)」などを選んで開いてみてください。[作成]タブの右側に接続要素がずらりと並んでいます。
ダクト接続と配管接続は「システム分類」をもつ
このうちシステム分類のプロパティをもっているのは
  • ダクト接続
  • 配管接続
の二つです。さらにそれぞれのシステム分類は以下の通りです。

ダクト接続

  1. 給気
  2. 還気
  3. 排気
  4. 他の空気
  5. 継手
  6. グローバル

配管接続

  1. 温水(往)
  2. 温水(還)
  3. サニタリー
  4. 排気口
  5. 住宅用温水
  6. 住宅用冷水
  7. その他
  8. 湿式防火
  9. 乾式防火
  10. 予作動式防火
  11. その他の防火
  12. 継手
  13. グローバル
システム分類は規定値でありユーザーが追加したり変更したりすることはできません。たとえば「外気」というシステム分類を作ろうとしても、作ることはできません。

ダクト接続要素のパラメータ

上記のダクト接続要素のパラメータでは以下の点に注意してください。

システム分類

システム分類が同じものだけがシステムとしてグルーピングできます。ですから同じ形状の制気口でも給気・還気・排気の3種類の制気口が必要になります。

流れの方向

空気がその接続要素に対して「イン」「アウト」を設定します。給気システムの場合、制気口は「イン(空気が入ってくる)」で、エアハンドラなどの場合は「アウト(空気が出ていく)」です。排気の場合は逆です。

形状

接続するダクトの形状を「円形」「長方形」「楕円形」から選んで設定します。サイズはインスタンス・タイプパラメーターとすれば、後から変更できますが、ダクト形状は変更できません。ですから、接続するダクトの形状ごとに制気口のファミリが必要です。

ファミリがすべてを決める

意外なことですが、RevitMEPの場合、接続するエアターミナルや機械設備によって、ダクトの給気・還気・排気などの性質や空気の流れは決まってしまいます。ダクト自体には空気に流れや用途を決める能力はなく、何に接続されているかによってそれらは決まってしまうのです。

適切なエアターミナルや機械設備を選択することはMEPモデリングにとって極めて重要で、またファミリのつくり方、とくに接続要素の配置については細心の注意が必要です。

2013年12月14日土曜日

システム分類について

システム分類→システムタイプ→システム

前回はシステムの概念についてお話ししましたが、残る「システム分類」と「システムタイプ」とはどのような考え方でしょう?おおざっぱに言えば下の図のようば関係になっています。
システム分類とシステムタイプとシステムの関係
すべてのダクト・配管系のシステムは何らかのシステムタイプに属しており、ダクト・配管系のシステムタイプはいずれかのシステム分類に属しています。このシステム分類とはどのようなものがあるのでしょうか?

システムタイプ

まずはシステムから一つ上がって、システムタイプを見てみましょう。この定義がどこにあるかというと、プロジェクトブラウザのファミリの中にあります。サンプルファイルを開いて確認してみてください。
ダクトシステム

配管システム

ダクトシステム

ダクトシステムのSupply Airをダブルクリックしてみると、システム分類が「給気」になっていることがわかります。
システム分類は「給気」
つまりシステムタイプ「Supply Air」のシステム分類は「給気」に属していることがわかります。そのほかのプロパティをみるとシステム分類を確認できます。
ダクトのシステム分類はこの三つ
ダクトのシステム分類は実はこの3つしかなく、増やすことはできません。一方、システムタイプはいくらでも増やせます。たとえば「Supply Air」を右クリックして「複製」を選択すれは任意の名前のシステムタイプを作成することができます。しかし、そのプロパティを確認すると、やはりコピー元のシステム分類を継承しています。
システムタイプはいくらでも増やせるが、システム分類は増やせない
なぜシステム分類が必要なのでしょう。システムタイプさえあれば特にシステム分類など必要ないような気がしますが・・・・

接続要素のシステム分類

結局のところシステムとは接続要素の集合です。その接続要素の集合がシステムタイプに属しています。ただ属する前の状態を考えてください。まだシステムに組み込まれていない、宙ぶらりんの状態の制気口・・・。これをシステムに組み込むとき、その氏素性がわからないと、仲間にしていいかどうかわかりません。このとき接続分類がその要素の氏素性をあらわすのに役に立つのです。ダクト・配管の接続要素はすべてシステム分類を持っています。

  • 同じシステム分類をもつ接続要素のみがシステムとしてグルーピングできる。
  • システムは同じシステム分類をもつシステムタイプに属する。

ことになります。前回、システムを作成するとき最初に表示されたダイアログボックスを思い出してください。

このとき一番上に表示されるのが「システムタイプ」です。このシステムタイプは選択した接続要素と同じシステム分類のシステムタイプが表示されているのです。
選択した接続口のシステム分類と同じシステムタイプが表示される

次回は接続要素について理解を深めていきましょう。